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「投込塚之跡」の碑 東海道 保土谷-戸塚間権太坂
上り詰め 行倒れの旅人を投込んだ 人骨が多数
出土している 権太坂は旅人にとって難所でした |
往時の道中は難儀であったのでしょう、旅に出る際は家族と水盃をかわしたと言われています。
そして道中手形には「この者の遺骸いかように処分してもかまわず、又連絡に及ばず」等々が記されていたと言います、恐ろしいですね。
ケガや病気が因で亡くなったのでしょう、盗賊や山賊はいても、さすがに交通事故の類はなかったでしょう、こう考えると今も昔も道中は決して安全とは言えません。
ケガや病気に対処する道中薬も色々有り、今日にも引き継がれているものもあります、「きつね膏」「赤玉神教丸」「和中散」「外郎(ういろう)」等々です。
我々が今日「街道ウォーク」に出かける際、道中薬は持参しませんが保険証のコピー位はリュックの中に忍ばせておけば安心でしょう。
以前面白い経験をしました、東海道桑名宿から二泊三日の行程で京三条大橋に向う途中。
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中山道鳥居本宿名物「神教丸」 |
三日目ユニークな私の友人が腹痛を訴えました、次第に症状が悪化し腹部を両腕で抱えて歩く状態になりました。
やっとのことで草津宿に到着し、中山道との追分道標の対いにある薬局に飛び込みました。
しかしここの薬剤師さんの診たては見事なもので、空腹による胃酸が原因とのことでした、無論薬の処方はありませんでした。
早速食堂に入り「薬(鍋焼きうどん)」を食しました、一発です、理由を聞いてみますとダイエット効果を狙ったとの事、大笑いでした。
サア、ウォーキングにつきものの足に出来る「マメ」について考えてみましょう。
とは言うものの、この「マメ」全く問題ありません、ウォーキング経験者であれば誰でも歩き始めた頃にこのマメが出来ているからです。
しかし回を重ねるに従い出来なくなります、つまり鍛えられるからです。
マメは初心者にしか出来ません、マメが出来る原因は皮膚とソックスを通してシューズとの摩擦によって生じます、「正しいシューズ選び」を参照してみて下さい。
しかし「正しいシューズ選び」を参考にしてベストなシューズを選んだとしても(かなり回避は出来ますが)初心者にはマメが出来ます。
むしろマメの数だけ皮膚が強くなってきます、マメが出来たら即、潰し中の水を抜き乾燥させるしかありません。
日常ウォークではジャンジャンマメをつくり、ジャンジャンマメを潰しましょう、面の皮ではなく足の皮を丈夫にし「街道ウォーク」バージョンに仕上げておきましょう。
よく歩き始め膝関節に軽い痛みが走ることがあります、これは大した問題では有りません。
本調子になる前のギヤチェンジ位に思って構いません、次第に痛みが引いて行きます、しっかりストレッチを行い、歩き始めはユックリしたペースでウォームに務めればたいした痛みはでません。
ウォーキングの後半に出る膝関節の痛みはダメージです。
「マメ」もそうですが、足のどこか一ヶ所になんらかの痛みが出ますとそれを庇う歩き方になり、これが連鎖反応を引き起こし次々痛みのポイントが増え、最後に膝がやられるのです。
直感的にこれは膝に来るなと思ったら、若干大袈裟に内股(オカマ風)又は外股(チンピラ風)に歩いてみて下さい、いずれか一方に若干痛みが和らぐポイントがあるかもしれません。
私し自身歩き始めの頃、箱根路を東の小田原宿から入り箱根峠を越え西側の下りに入ると膝に強烈な痛みが走りました。
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箱根西坂 |
道端に落ちていた細竹を拾い杖にして下りました、まるで日本武尊の杖突坂みたいですね。
石畳を抜けアスファルト道に出たときに何気なくチンピラが肩で風を切って歩く、あの外股歩きをしたら不思議に痛みが取れたのです「正しい歩き方参照」。
これには前段があります、一年発起をして歩いてみるかと思った当初、あるウォーキング雑誌を本屋で見つけて買って帰りました。
そこには「正しい歩き方」と称して美しい女性がレオタード姿でさっそうと歩くポーズをあらゆる角度から撮った写真が載っていました。
そして足の運びは平行移動とありました、つまりつま先は「ハの字」でも「逆ハの字」でもなくあくまでも直線で平行とありました。
純真な私はこれを「金科玉条」の如く実践しました、結果的にこれが膝に負担を掛け、下りで体重の掛かる膝に痛みが出たのです、「正しい歩き方」なんて糞喰らえです。
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中山道 下和田のバス停留所 |
ですから膝に痛みが出ましたら、これ幸いと思い色々な歩き方にトライし、痛みの和らぐポイントを探してみましょう、もし発見できたら、正にこのポジションがあなたにとってベストなポジションといえます。
よく信号待ちや駅のホームで見かける光景ですが、若い女の子が「O脚」を隠そうと内股に足を絡めています、かえって足の曲がりを強調して見えます、むしろつま先を開いて真直ぐに立つと膝が締まりスラット見えます、鏡の前で試してみて下さい。
あらゆる努力をしても、解決の糸口が見つからないようでしたらリタイヤをしましょう。
我々は「根性ドラマ」のヒーローではありません、又同行の方々も「苦しくてもガンバレ」などとけし掛けてはいけません、ダメージが大きくなればなる程回復が遅くなってしまいます。
勇気を持ってリタイヤしましょう、「街道ウォーク」中であればなにも直帰することはありません、急遽「路線バスの旅」に切換えましょう、これもいいじゃないですか。
サア次は「真夏日ウォーク」です、それこそアスファルトの路面から陽炎が立ち昇る中のウォークです。
十分な「熱中症」対策が必要になってきます、熱中症とは死にいたる怖いアクシデントです。
難しい理屈は抜きにして発汗による体温調整機能が低下し、体温が上昇してしまい脳をはじめ循環機能にダメージを生じてしまうものです。
グループで真夏日ウォークを行うのであれば、時より互いに観察しあいましょう、口数が減り、顔が上気したように赤くなり、目がどこを見ているか解からないようでしたら黄色から赤信号です。
即、日陰に横たえ静脈の走っている首筋、両脇、太ももの内側になるべく冷えた水をかけます、上昇してしまった体温を下げるのです、恐ろしい光景ですね。
自己診断もできます、それは「頭痛」です、なにか頭が痛くなったら熱中症の前兆です、対処しましょう。
実は私し、この「真夏日ウォーク」が大好きです、荷物は少なく、冬場と違いヒートコントロールがしやすく、なによりもコザッパリ歩け、陽が長いからです。
それでは「真夏日ウォーク」の楽しみ方と熱中症対策のお話をいたしましょう。
服装に関しては「ウェアリング編」携帯品に関しては「アイテム編」を参照してください。
「真夏日ウォーク」に出かける場合、「熱中症対策」は車中から始まります。
少なくとも車中でペットボトル2リットルの水は飲み干しておきます、夏はジッとしていても汗をかくくらいです、増して炎天下を歩くのですから、堪ったものではありません、滝のような汗をかきます。
喉が渇いてからでは遅いのです、体内の水分が不足すれば発汗量が減り、必然的に体温が上昇してしまい「熱中症」に陥ってしまうのです。
※ 体内の水分量が減少しますと血液の粘性が上がり(ドロドロ血)、心臓や血管に負担をかけてしまいます。
十分な水分補給はなにも「真夏日ウォーク」に限らず、一年を通して必要不可欠なものなのです。
ですから「熱中症」対策は体が要求する前に水分補給をしなければなりません、ではどのくらい飲めば良いのでしょうか、これには格好のバロメーターがあります。
どなたでも経験があると思います、汗をたくさんかくと小便の量(回数)が極端に減ります、そして尿の色は黄色くなっています、これが正に黄色信号なのです。
それこそ「滝の如く」小便が出るくらい「湯水の如く」水分を補給しましょう。
女性の方には「小便」の話ばかりで申し訳ありません。
しかしこれが美肌になるのです、汗を舐めてみて下さい、出発した頃の汗はどこかベトつき異常に「しょっぱい」ですが、後半の汗は「サラッ」としていて余り「しょっぱく」ありません、そうです体に蓄積された老廃物を汗と尿で排出してしまうのです。
しかしいくら「減塩運動」をなさっている方でも、ここまで汗と尿で老廃物とナトリウムを排泄してしまっては体内バランスが保てません、午前と午後に各一本づつ「スポーツドリンク」を飲んでおきましょう。
サア昼食です、「冷えた生ビール」良いですね、これが飲みたいばかりに歩いている人もいるくらいです、解かります。
ウォーキング中不謹慎などと言う輩もいますが、おおきなお世話です、グッといきましょう、ビールには利尿効果もありますので一石二鳥です。
街道ウォーカーのアイドルは「ザ、 ラーメン」です、真夏日ウォークは何かと冷たい飲み物が多く、冷房の効いた食堂で冷えた生ビールではチョット腹具合に問題を生じそうです。
そこでラーメンです、普段は残すスープもシッカリ飲み干しましょう、立派な水分補給でもあり、ミネラルと塩分補給でもあります。
食事は食堂の人に迷惑をかけない限りユックリ摂りましょう、休憩を兼ねていますから、そして秘密兵器の投入です、疲労物質である「乳酸」の除去です、大きめなスプーンでテーブルの酢を一杯飲んでおきます。
熱中症対策は水分補給(水やお茶)をシッカリ摂ることです、サア次は体のクーリングです。
これが私にとってはベトベトしがちな真夏日ウォークをサッパリ歩く秘訣なのです。
真夏日ウォークのウェアーに関しては「ウエアリング編」の通りです、QD−MaxかアクリルのメッシュTシャツを着用します、これらの素材は速乾性を有しています。
街道筋の水場に到着したらこのTシャツを脱ぎ汗を洗い流します、次にこのTシャツで体中の汗を拭います。
気持ちいいですよ、そして再びTシャツを水洗いしギュッと絞り着用します、真夏であってもヒヤッとするくらいです、体が熱くなったら水場々でこれを繰り返します、最高です。
以上のような組立てを行えば「熱中症」なんて糞喰らえです。
最後に「真夏陽ウォーク」の細部に触れてみましょう。
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ショートソックスと普通の長さのソックス |
マズ、ソックスです、夏という事で丈の短いソックスを思いがちですが、通常の長さのものがお奨めです。
太ももや脛から流れ出た汗はソックス上部に吸収されその一部は結晶化します、これが擦れてヒリヒリします。
ソックスを下げてみますと赤いリングができていることがあります、これを避ける為には1時間毎に1cmづつ折り曲げてゆきます、これで完璧です。
私は泊りの「真夏日ウォーク」であっても下着類の着替えは一切持って行きません、なるべく軽量化を図る為であり必要ないからです。
投宿したら風呂場でさっと洗い、ギュット絞っておけばすぐに乾くからです、但し乾く間、浴衣の下はフルチンです。
しかしながらソックスだけは一足持ってゆきます、ご存知のように足は異常に汗をかきます、ウォーキング中適度に履き替えます、汗で足がフヤケ靴擦れを起こしてしまうのを防ぐ為です。
これも水場でサッと洗い流し、ヒップバッグに洗濯バサミで止めて歩けばスグに乾きます、腰手拭(てぬぐい)ならぬ腰ソックスです。
※ 水戸天狗党は京に向け中山道を進軍中、同行した赤子のオシメを竹ざおに取り付け、乾かしながら進軍したそうです、ところがこれが遠目には勇壮な旗指物に見えたそうです。
その様な訳で「真夏日ウォーク」にリュックは不必要であり、不向きです、背中が熱くてたまりません、小さなウエストバッグで十分です。
私の場合、「真夏日ウォーク」の旅に於いて真に必要なものと、不必要なものを分けた場合それを必要最小限に納める事のできるウエストバッグを市販品の中から見出せず、自分で改造しました、「お宅」ですね「アイテム編参照」。
かように「真夏日ウォーク」は爽やかな歩きができます、皆さんもいかがですか、いずれかの木陰でお会いできることを楽しみにしています、私の目印は背中の「バッテン」と「腰ソックス」です。
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