ウォーキングにとって大敵とは何でしょうかと多くの人に質問してみますと、それこそ色々な答えが返ってきます。
「それは何と言っても足にできるマメでしょう」「膝関節の痛み」「腰痛です」中には「心筋梗塞」と恐ろしい答えや「食事がうまいから喰い過ぎ」とのファンキーな答えまであります。
|
雪の甲州路 車のスリップに要注意 |
いずれの答えも決して間違いではありませんが、やはり一番の大敵は「交通事故」ではないでしょうか。
よく目にする光景は先頭集団に遅れた人が何とか追い着こうと急ぐあまり信号を無視した結果、危険な目に遭うことがあります。
しかし十分に気をつけてさえいれば自動車との接触事故はある程度は避けられると思います、とは言うものの事あるごとに憤きどおりを感じる街道筋が多々あります。
東海道の箱根路とくに東坂の車道に歩道が無い箇所が多々あります、ワインディングロードの下り坂を自家用車やバスが疾走してきます。
たしかに歩道をつくる程道幅が無いのは百も承知ですが、擁壁に張り出しを付ければ十分可能と言えます。
そして私が怒り心頭に達し、憤怒の怨が天を突いているのは「天竜川橋」です。
東海道見付宿と浜松宿の間に横たわる「暴れ天竜」こと天竜川に架かる橋です、往時は舟渡しでしたが激流のため旅人に恐れられていました。
いまは架橋され安全に川が越せると思ったら大間違いです、橋に歩道がないのです、片側二車線の直線路を体スレスレに車が爆走してきます、大型車が来ようものなら欄干に身をあずけるようにしか歩けません。
真の恐怖感が湧きあがります、良識のある地元のウォーキング マップにはこの天竜川橋を決して「徒歩で渡たるべからず、前後を跨いでいる路線バスにて渡るべし」と記されています。
しかしながら街道ウォークにこだわる我々は渡らない訳にはいかないのです、私自身過去3度渡っていますが、何人ものウォーカーとすれ違っています、正に今日の「親知らず子知らず」と言えるでしょう。
この橋をお孫さんを背負ったお婆さんは歩かないのでしょうか、自転車に乗った小学生は通らないのでしょうか、国土交通省(旧建設省)は一体今日まで何を考えてきたのでしょうか、地元の自治体は大馬鹿なのでしょうか理解に苦しみます。
サアこれくらいにして次に進みましょう、考えると腹が立ってしょうがありませんから、いずれにしましても交通事故には十分気をつけましょう。
余談ですが街道を歩いていますとかなりの交通事故を目撃します、無論事故後の状況に出くわすことは当たり前ですが衝突そのものを何度も目撃しました、何か直感的にこれはヤルゾと何気なくフト見るとドカーンです。
次に経験した事故は3件あります、3件とも全て同じ状況で全く同じ結果になっています。
東海道の蒲田村、及び神奈川宿そして日光道中の杉並木の3件です、いずれも被害者は男子小学生でした。
状況は自転車に乗った子供が私を追い越し、その前方で横道から飛び出して来た車と接触し転倒したものです。
不思議に3件ともかすり傷程度で済んでいます、黙ってみていると3件とも子供は素直ですから「すみません」と謝りました、すると運転手は判で押したように「大丈夫か、気をつけなければ駄目じゃないか」と言います。
冗談じゃ有りません、気をつけていないのはお前の方じゃないか、私は妙な義侠心にかられ何れも中に割って入りました、不思議に子供達は先を急いでいるのか、又はその場に居たたまれないのか、「大丈夫ですから」と帰りたがります。
私は「僕これは交通事故だよ、両親に連絡しなければだめだよ」と諭します、すると運転手は必ず「お前はなんだ、関係ないだろう」と言います、私は善良なる目撃者です、警察官が駆けつけると状況を説明し、私の住所、氏名、電話番号を伝え立ち去りました。
この横道からの車の飛び出しは案外多く危険です、さすがに一時停止しないで一気に横道から飛び出してくる車は論外ですが、車は普通横道から本道に出る場合は一時停止します、これが曲者なのです。
我々街道ウォーカーは止まってくれたと思い車の前を進んでしまいます、ところが運転者は我々を確認していない場合があるのです、運転者は横道から自分の進行方向の反対側からの車の流れにのみ集中しているからです。
そこで大事なのは「ガン」を飛ばすことです、決して車の挙動だけで判断するのではなく、運転者の目を見ましょう、こちらを確認したか眼を合わせるのです、そして目があったら、そのままでいろよと「念」を送るのです。
ある程度の人数で歩く場合、先頭を歩く人は後続に気を配りましょう、無理な信号の横断をしますと後続は走る羽目になってしまいます。
特に最後尾には経験者を配置しましょう、今はトランシーバーを用意しなくても便利な携帯電話がありますので先頭と互いに連絡を取り合い列の延び具合を確認し、休憩等を適時に入れ後続グループを迎え入れましょう。
かようにウォーキングの大敵は交通事故です、しかし交通事故は何も自動車との接触だけではありません、自転車との接触が意外と多いのです、私自身何度も経験しています。
一番派手だったのは数年前の昼過ぎ、日本橋を発ち東海道は品川宿を通過し、恐ろしい鈴ケ森の刑場跡を横目で見、美浜村(三原通り)を歩いていると、突然背後から自転車に「オカマ」をほられてしまいました、それも見事に私の短い足の間に直撃でした、正に「青天の霹靂」です。
酔っ払いです、美浜の手前にある平和島競艇で勝った祝い酒か、それとも負けたヤケ酒なのか、かなりの酩酊状態でした、これは異例かもしれませんが笑えるでしょう。
街道ウォークの場合、予定より早く目的の宿場に到着することは稀と言えます、陽の長い夏場であれば夕方7時位までは十分明るいのですが。
冬場ともなれば5時には暗くなってしまいます、まして中山道の木曾路のように山で囲まれた街道では陽が山に隠れると突端に暗くなり寒気が襲ってきます。
地方の旧道には街路灯などほとんどありません、暗くなりかけると家路を急ぐのは何も我々だけではありません、この道を勝手知ったるジモティー(地元の人)の無灯火自転車が疾走してきます。
自動車であれば例外なくライトを点灯していますし、騒音でも十分確認でき、対処もできますが、さして音も立てない特攻隊のような無灯火自転車の来襲は防御しにくいのです。
当然、暗闇の中から熊のような我々が忽然と現れたら自転車の人も驚き、急ブレーキを掛け転倒するか、接触事故を起こしてしまいます。
|
|
胸に付いている反射テープ |
裾に付いている反射テープ |
そこで我々は自身をライトアップしなければなりません、存在を確認してもらうのです。
あえてひとつは「消極的(パッシブ)手法」とも言えるものです、アウト ドアーショップ等で入手できる「反射テープ」を購入し、リュックの背やショルダーに取り付け方法です(最初から反射テープが装備されているウェアーもあります)。
しかしこの方法、残念ながら自動車等のライトが直接当って初めて光るものですから、無灯火の自転車には期待できません。
|
キャップに超小型マグライトをクリップでセット |
そこでもうひとつの「積極的(アクティブ)手法」が必要になります、電飾ですホタルのように自ら光りましょう。
マズ先頭の人は前方を照らすヘッドライト(懐中電灯)を装備します。
この「懐中電灯」ですが私し一押しの優れモノは「マグライト(USA製)」です。
それも小指のような単四型乾電池1本使用の超小型のライトがお奨めです、絞り機能もついており非常に軽量です。
このライトをクリップ等を使ってキャップのツバにセットします、これだけの事です。
アウト ドアーショップに行きますとゴムバンドの付いた小型「カンテラ」もあります、研究してみて下さい。
|
赤色の点滅等 |
サア次は最後尾の人(単独の場合は自分)の背に「テールランプ」をセットしましょう。
これもアウト ドアーショップのサイクル(自転車)コーナー等で購入できます、自転車のサドル(座席)の背やウエストバックに取り付けられるタイプのものです。
発光ダイオードが使用され赤い点滅信号を発光します、乾電池は一番小さい単四型を1〜2本使用するタイプです。
これでナイトウォークは完璧です、後はキツネやタヌキの化かしに気をつけるだけです。
|