誠に恐縮ですが「五街道ウォーク」のお話をする前に、まず私にとって何故ウォーキングだったのかをお聞きください、長い話になりますが、よろしかったらお付き合い下さい。 私の職業は不動産業です、今となっては懐かしくもあるバブル全盛期にはそれなりに恩恵を受け、夜の打ち合わせと称し、毎夜毎晩、夜のクラブ活動を繰り返していました。 私の身長は169Cm、当時の体重は86Kg、ウエストは94Cmにもなっていました。
ある時、フェリーで千葉に向う船中、胸回りが重くなり、額と手に脂汗が出てきました、しかしすぐに遠ざかり二日酔い程度にしか思っていませんでした、その後も時より似た様な症状が出ましたが、無視していました。 ある年の冬、日頃の罪滅ぼしのつもりで、信州に家族を連れてスキーに行きました、中央高速の笹子トンネルに入ると急に胸が苦しくなり、例によって脂汗、車が蛇行を始めました。 二泊三日の滞在期間中ズーと、笹子トンネルを帰路再び通る恐怖心が頭から離れませんでした。 二、三日後、普通に朝食を済ませテレビを観ていると、急に目の前が暗くなり、息苦しくなりました、又脂汗です。
それまでも業界の健康診断は定期的に受けていました、しかし知り得る限りで言えば、血圧、総コレステロール、中性脂肪、血糖値、尿酸値、肝機能等々の各数値は全て基準値を超えるもので「再検査」のオンパレードでした。 バブルが弾け、体調は最悪の状態、病院の世話になる様になりました、通院の中で「栄養指導」を受け、この指導の中で食事と運動がいかに大事かを知りました、分かっていたつもりが実は何も理解していない事を思い知らされました。
運動(スポーツ)、これほどミステリアスな言葉はありません、わたくし自身ゴルフを一生懸命やっていたのです、しかしこれがマジックだった様です。 プレー中はだらだらと歩き、坂の急な所には、エスカレーターが用意され、揚げ句の果てにはカートに乗り、昼は生ビールとステーキ、プレーが終わるとパーティーです、これじゃ体に良い訳がありません、しかし私自身はそれこそ適度な運動をしていると思っていた訳です。 私の同級生がくも膜下出血で数年前に亡くなりました、子供の頃から自他共に認めるスポーツマンでした。 月に1〜2回のペースで草試合を行っていたそうです、普段は練習もせずに、もっぱら試合のみだったそうです。 しかしながら本当の落とし穴は誰の心の中にも潜んでいる一点です、それは「やらないよりはましでしょう」の一言です、場合によってはやらないほうがいい場合があると思います、それはマジックの迷宮に入り込んでしまうからです、ようは過信がいけないのではないでしょうか。
そこで一念発起し、白羽の矢を立てたのがジョギングでした、ところがこれがいけません、それこそ三日坊主です。 その時これなら出来ると思いました、誰かの話によると、そもそも人間の体の構造は走るより歩くように出来ているそうです。 正直なところウォークなんてジジィ臭く、大した効果も期待していませんでしたが、一ヶ月目辺りから体重が落ち始め、一年後にはなんと体重は68Kgになり、ウエストは85Cmになりました。
|