はじめまして


 はじめまして、五街道ウォーク事務局を代表する私くし八木牧夫は2000年の世紀を迎え50の大台に乗りました。

 誠に恐縮ですが「五街道ウォーク」のお話をする前に、まず私にとって何故ウォーキングだったのかをお聞きください、長い話になりますが、よろしかったらお付き合い下さい。

 私の職業は不動産業です、今となっては懐かしくもあるバブル全盛期にはそれなりに恩恵を受け、夜の打ち合わせと称し、毎夜毎晩、夜のクラブ活動を繰り返していました。

 久し振りに会う友人からは
貫禄がついたとか、恰幅(かっぷく)が良くなったと言われ、満更でもなく思っていました。

私の身長は169Cm、当時の体重は86Kg、ウエストは94Cmにもなっていました。


  ある日突然に!

 ある時、フェリーで千葉に向う船中、胸回りが重くなり、額と手に脂汗が出てきました、しかしすぐに遠ざかり二日酔い程度にしか思っていませんでした、その後も時より似た様な症状が出ましたが、無視していました。

 ある年の冬、日頃の罪滅ぼしのつもりで、信州に家族を連れてスキーに行きました、中央高速の笹子トンネルに入ると急に胸が苦しくなり、例によって脂汗、車が蛇行を始めました。

 その時は必死に当て舵をして何とか通り抜けました、幸い家族は全員寝ていましたのでそれとは気付かれませんでした。

 二泊三日の滞在期間中ズーと、笹子トンネルを帰路再び通る恐怖心が頭から離れませんでした。

 帰路、いよいよ通過の際には家族全員を起こし「後何Km、後何百mで通過」と大声でカウントさせ気を紛らわせて何とか通過しました、この時は中央高速はじまって以来、こんなに遅い車は他にはないと言える程の
スロースピードです、家族からはそれこそソースカンの有様でした。

 二、三日後、普通に朝食を済ませテレビを観ていると、急に目の前が暗くなり、息苦しくなりました、又脂汗です。

 しばらくすればいつもの様に通り過ぎると我慢していましたが、今回は長い、嫌な胸騒ぎと
恐怖心が湧き上がり、うつ伏せてしまいました、この様子を見ていた女房の連絡により病院に急行、狭心症と診断され、その時の血圧は190オーバーでした。

  生活習慣病のオンパレード

 それまでも業界の健康診断は定期的に受けていました、しかし知り得る限りで言えば、血圧、総コレステロール、中性脂肪、血糖値、尿酸値、肝機能等々の各数値は全て基準値を超えるもので「再検査」のオンパレードでした。

 しかしそれを意にも架けず、むしろこれを肴に酒を飲み、
勲章ぐらいにしか思っていませんでした、浅はかなものです。

 バブルが弾け、体調は最悪の状態、病院の世話になる様になりました、通院の中で「栄養指導」を受け、この指導の中で食事運動がいかに大事かを知りました、分かっていたつもりが実は何も理解していない事を思い知らされました。

 ※食事に関しては後に詳しく述べたいと思っています。

  運動のマジック

 運動(スポーツ)、これほどミステリアスな言葉はありません、わたくし自身ゴルフを一生懸命やっていたのです、しかしこれがマジックだった様です。

 プレー中はだらだらと歩き、坂の急な所には、エスカレーターが用意され、揚げ句の果てにはカートに乗り、昼は生ビールとステーキ、プレーが終わるとパーティーです、これじゃ体に良い訳がありません、しかし私自身はそれこそ適度な運動をしていると思っていた訳です。

 私の同級生がくも膜下出血で数年前に亡くなりました、子供の頃から自他共に認めるスポーツマンでした。

 運動神経に恵まれスポーツならなんでもこなしました、最近では自身
草野球に打ち込み、あわせて少年野球の監督も引き受けていました。

 月に1〜2回のペースで草試合を行っていたそうです、普段は練習もせずに、もっぱら試合のみだったそうです。

 しかしこれでは
運動効果としての所要時間はあまりにも僅かです、そして打ち上げのビール、これでは運動にはなっていません、しかし錯覚してしまうのではないでしょうか。

しかしながら本当の落とし穴は誰の心の中にも潜んでいる一点です、それは「やらないよりはましでしょう」の一言です、場合によってはやらないほうがいい場合があると思います、それはマジックの迷宮に入り込んでしまうからです、ようは過信がいけないのではないでしょうか。


  ウォーキングとの出会い

 そこで一念発起し、白羽の矢を立てたのがジョギングでした、ところがこれがいけません、それこそ三日坊主です。

 子供の頃から大した運動もせず、蒸気機関車の如く
タバコの煙を吐き、バキュームカーの如くを飲み、布袋様の如く腹の出た体は言う事を聞きません、苦しいのです。

 それでも慣れるまではと頑張ってはみたものの、
足腰膝に痛みが出る始末、揚句の果てには、ジョギングの時間になると吐き気が出る始末でした、登校拒否児の気持ちが良くわかります。

 ある時苦しく膝に痛みが出たので歩いて裏道を通って戻るつもりが道を迷い遠回り、これが
ウォークの事始でした。

その時これなら出来ると思いました、誰かの話によると、そもそも人間の体の構造は走るより歩くように出来ているそうです。

 出来る限り毎日、一時間は歩くようにしました、続けてみると
思わぬ発見があったり、季節の移り変わりが実感でき、次第に楽しくもなりました。

正直なところウォークなんてジジィ臭く、大した効果も期待していませんでしたが、一ヶ月目辺りから体重が落ち始め、一年後にはなんと体重は68Kgになり、ウエストは85Cmになりました。

 2年後には体重は62Kg、瞬間的には60Kgをも切りました、ウエストは82Cm、そして体脂肪率は17%です、これは今も続いています。

間(あい)の宿茂田井 (中山道)


 そして例の定期健康診断においては、全ての数値が基準値以内に収まってしまいました。

 大きな声でハッキリ言い切ります、「
ウォーキングには絶対健康効果がある」楽しく歩いていたら、健康が歩いてやって来ました。