街道を歩いていますとそれこそ多くのウォーキンググループや中年の夫婦連れの方々とすれ違います、はなはだ失礼な言い方で申し訳ないのですが、その方々の服装はハンで押したように一様です。 トレッキングシューズにジーンズかコットンのパンツ、チェックのシャツにコーデュロイのベスト、そしてチロリアンハット風の定番スタイル、背には大きなリュック、あの大きなリュックの中には一体何が入っているのでしょうか。 服装は個人の趣味であり、とやかく言えませんが、そのような服装はあまり合理的とは言えません。 またまた、「確信犯」の独り言ではありますが、時間と寛容の精神がありましたらお聞き下さい。
聞きおよぶところによりますと、極限であります、K−2の登頂や南極海を通過する外洋ヨットレースの人達のウェアーの組立は基本的に三枚の組合せだそうです。 このウェアリングのシステムは、活動により体が発熱し、その発汗をアンダーウェアーが素早く吸収し、ミッドウェアーが、これを受け継ぎ、アウターに受け渡す、アウターは防水透湿素材で出来ています。
この近代的なシステムを利用しない手はありません、ウォーキングは春夏秋冬、一年を通して行うスポーツであり、街道ウォークはあらゆるコンディションに遭遇してしまいます。 ジーンズやコットンパンツは確かに吸汗性は良いのですが、速乾性はありません。 その様な訳で着替えが必要になり、大きなリュックが登場してしまうのではないでしょうか。 そこで是非とも最小限の装備で最大の効果が得られるウエアリングを考えてみましょう。
まずは、お近くのアウトドアーショップに行き、ザ ノース フェース、モンベル、ヘリー ハンセン等のカタログ集を入手してください。 チョイスは夏、春秋、冬と分けて組み立てましょう。
つぎはショーツ(短パン)です、当然透湿性の高いサプレックス素材等のものを選択します、バミューダタイプの様な中途半端な長さではなく、短パンタイプにしましょう、足さばきが楽に行えます、意外と腿は大汗をかきます。 ところがこの短パン、恥ずかしがり屋のオジサンがなかなか履けないのです、どうか清水の舞台から飛び降りたと思って履いて見て下さい、スポーツシューズに白いソックス、陽に焼けた足に短パン、格好良いですよ。
Tシャツを選びましょう、素材は吸水拡散性に優れたダクロンQD Max等の素材からチョイスします。 この場合、Tシャツに前ボタンのついたヘリーネックは優れものです、ヒートコントロールがし易いからです。 又、アスファルトの路面から陽炎が立つぐらいの真夏日は、各スポーツメーカーが出している、ランニング用のポリエステル素材メッシュTシャツが非常に涼しく、快適です、何よりも水道で濡らし軽く絞って着るだけで体がクーリング出来ます。 夏は以上で十分です、なお、帽子やサングラス等はアイテムの章で紹介します。
春秋にしましょう、この季節は暖かく汗ばむ日もあれば、冬の様な寒さにも遭遇します、二段重ねのウェリングが必要になります。
アンダーウェアーのパンツは夏用で十分です、夏用のTシャツもアンダーウェアーとして流用できます、但し寒い日も想定して、吸水拡散素材アンダーウェアーで薄目(ライトウエイト)のロングサイズかニーサイズのタイツ、上半身は同種の長袖にします。 サァ、次はアウターです、個性の発揮できる部分ですのでジックリ研究して下さい。 場合によっては冬場と雨(雨対策は別の章で紹介します)を想定して、最初から防水透湿素材の最高峰とも言える、ゴアテックス素材のレインウェアーの上下セットを購入してしまい、晴天時から着用してしまう人もいます、これは決して間違った選択ではありません。 しかしゴアテックスの上下セットは高価であり、それ相応な重量と収納した時にカサがあります。 ここでは例により「確信犯」の独り言をお聞きください。
防水とまでは言えませんが、撥水性を備えた透湿素材のウィンドブレーカーの上下で必要にして十分です。 後は当日の気候に合わせてアンダーウェアーのウェアリング(組合せ)を変えればいいのです、これでリュックの中も大分少なくなります。 尚、このウインドブレーカーの上下はアシックス、ミズノ、ナイキ等の同等素材のトレーニングウェアーでも十分です、研究して見てください。 サァ、ここでもう一つのベストアイテムを紹介しましょう、それは「ベスト」です、但し、よく見かける全面にたくさんのポッケトが付いたものは関心しません。
私が薦めたいのはウインドブレイカー等と同素材のペラペラのベストがベストなのです、裏地にフリースが付いたようなものは、使用期間が限られ、たたんでもカサバッテしまいます。 このベストは調味料みたいなもので、適切に使用すると効果をあげます、それこそ真夏以外あらゆる状況で適切に着用でき、効果絶大です。 心地よい気候であれば、短パンにTシャツとベスト、涼しい時には、短パンを脱ぎ、上下のブレイカーを着用、寒いようであれば、上下ブレイカーの下にタイツと長袖のアンダーウェアー、さらに冷えるようであればベストを中に重ね着します。 長袖のハイネックアンダーウェアーは下着とは言うものの、一般のトレーナー等と変わらないのでアウターとしても着用できます(但し、ワンサイズ大き目を購入することです、これは肌着としての保温上ピッタリにできているからです)。
いよいよ冬物としましょう、アウターはやはり撥水性をもった透湿素材で内側に薄く保温材の入った上下を選択します。 今まで申し上げたのは、首尾一貫して軽量とコンパクト性を追求してきました結果です、従いましてダウンやフリースのジャケットは選択肢の範囲から除外されてしまいます。 手袋やその他の小物はアイテムの章で解説します。 以上が私の見解です、参考になったでしょうか、日進月歩の世界ですので、色々と試してみましょう。
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