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カーボン製レーシングパドル |
カヤックが出来上がりましたら、パドルもついでに作ってしまいましょう。
無論、市販のパドルを購入しても構いませんが、パドルが自作したカヤックよりも高くついたのでは堪りません。
このパドル、案外と奥が深いのです、ですからとりあえず安直にパドルを作り、後に自分に合ったパドルをジックリ作るか、カーボン製レーシング用パドルでも購入しましょう。
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ブレードテンプレート(700.5cu) |
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4オンスガラスクロスでカバリング |
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最初の1本はフラットでゆきましょう |
ところがこの安直パドルはカーボン製パドルに匹敵する位軽量です、そして何よりも安価です。
パドルの製作材料は全てカヤック製作後の残り材で十分に間に合います、シャフトはシアー材の残りを使用し、ブレードにはハル、デッキ材の残り合板を利用します。
性能的にも全く問題ありません、問題はむしろ漕ぎ手自身にあります。
シーカヤック自作バイブルには簡単な製作ガイドを掲載しています、参考にして下さい。
パドルの全長は真っ直ぐに立ち、片手を真上に伸ばし、床から指先までの長さが標準と思ってほぼ間違い無いでしょう。
シーカヤック自作バイブル掲載のブレードは標準的なサイズです、体力に自信がありましたら拡大コピー、女性用や子供用でしたら適当に縮小コピーをしてサイズを決めて下さい。
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フェザータイプのパドル |
極々簡単にパドルの奥の深さについて触れておきましょう、パドルを大別するとフェザータイプとアンフェザータイプの2種類に分類できます。
フェザータイプのパドルは左右のブレードが異なる角度でパドルシャフトに取り付けられています。
このフェザータイプのパドルは利き手でシッカリとシャフトを握り、片方の握りをルーズにしておき、握りの中で回転させて漕ぎます。
このフェザータイプのメリットは空中側のブレードが風の抵抗をブレード面で受けないところにあります、このタイプで漕いでいる姿はブレード面が空中でヒラリと返り格好が良いです。
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ソケットによりフェザー&アンフェザーが選択できる |
アンフェザーはパドルシャフトに左右のブレードが同じ角度で取り付けられています。
フェザー派が強い向かい風の中での有利性を主張すれば、ブレード面が向きを変えないゆえ追い風に有利とアンフェザー派は反論します。
この両パドルのメリット、デメリットはいつの世でも論争の的になっています。
そしてアンフェザー派の最終常套句はカヤックのルーツであるイヌイットのパドルにフェザーは無いと見栄を切ります。
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一体型アンフェザータイプの自作マイパドル |
このいずれかを選択するのはあなた自身です。
私はアンフェザー派です、それは単にパドルが作り易いからです。
パドルシャフトの中央部にソケットを取り付ければアンフェザー、フェザーの切替が容易に行え、且つ、2分割になりますので収納が楽になります。
一見、この2分割方式は合理的に思えますが、私はこのソケット部のガタつきが耐えられません。
従って、一体型のパドルにこだわっています、この場合、ブレード角度を違えたフェザーパドルの製作はかなり複雑です。
この点、同一角度のアンフェザーパドルの製作はいたって容易といえます。
次は私のもう一つのこだわりです、パドリングは典型的な左右均等運動です、この折角左右均等な運動に利き手を登場させる必要性はないと思っています。
自転車のハンドルの握りや貸しボートを漕ぐのに利き手も利き腕も関係有りません、左右均等です。
パドルの操作は水中に入っているブレード側のグリップはシッカリ握り、空中側のグリップは緩め、シャフトを手の平で前方に押し出します、この動作を交互に繰り返す連続運動です。
しかしこの連続運動を繰り返すうちに2つのズレが生じます。
● 特に真円のシャフトの場合、水面とパドルブレード(パドル面)の角度がズレる。
● シャフトのグリップ位置が左右のいずれかにズレる。
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マイクロバルーン整形のピストルグリップ |
この2点の問題を解決する方法は簡単です、シャフトの握り位置にピストルグリップを取り付ければOKなのです。
これで角度のズレ、左右のズレが一挙に解決します。
シャフトに端材を接着し、丸ヤスリ等で自分の手に合せて削り出します。
既に出来上がっているシャフトであれば、定位置にマイクロバルーンを積層し整形します。
たかがパドル、されどパドルです、何でもありです、この楽しみは自作派の特権です。
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