部材の製作


【プライウッド(合板)の展覧会】

ハル(船体)の製作には4枚の建築用3mm厚タイプT完全耐水合板を使用します。

デッキをクリアー仕上げにするのであれば4枚の合板を並べて見ましょう。

木目の綺麗な2枚をデッキ用としてチョイスします。
【パネルの切り出し】

各々のプラン図に従ってサイド用パネル及びボトム用パネルを切り出します。

この切り出しには上下共各1cm以上の切シロを取っておきます。

後に各パネルを接着し、パネル面に原図を描く際、狂いを補正するためです。

三画形のパネルはボトム用です。
【パネルのスカーフ】

スカーフの比率は1:8、つまり3mm厚合板の場合は24mm幅のスカーフを切ります。

エッジから24mmの所にラインを引き、全てのパネルを階段状に並べます。


スカーフとは2枚の部材をスムーズに且つ強靭に接合するテクニックです。
【スカーフのカッティング】

カンナ、ノミ等あらゆる道具を動員してスカーフを切ります。

今回は電動ベルトサンダーで荒取りし、フラットな木片にNo80の布ペーパーを巻いて仕上げました。

このスカーフは慣れればさほど難しい作業ではありませんが初心者にとっては至難の業と言えます。

このスカーフが障害になり、自作に踏み切れないのではないでしょうか。

バットジョイントでも構いません、パネル同士を直接接着し、裏に当て板を接着する方法です。
【シアー材の切り出し】

シアー材は通常スプルースの板材から切り出します。


手ノコ一本でも十分に切り出せます、電動ノコがあれば便利です。

材木屋やホームセンターで切り出してもらってもいいでしょう。

シアー材は何もスプルースにこだわる必要はありません、杉でもラワンでも何等問題ありません。
【スカーフ接着】

スカーフ接着が終了したサイドパネル、ボトムパネル、シアー材。

このスカーフ接着により各部材はあたかも一体材であったかのようになります。

このスカーフテクニックを身に付ければどんなに長い木製マストであっても製作が可能になります。
【原図を描く】

サイドパネルに原図を描きます。

パネル面に直線を描く場合、墨壺の使用はあまり薦められません。

墨壺の糸は真上から打たなければ正確な直線が得られません、熟練を要します、そして打たれた線自体が太いからです。

水糸をピーンと張ります、1m間隔に木片等を水糸にギリギリに寄せ印を付け、長さ1mのスケールでこれらの印をつなげば正確な直線が描けます。

サイドパネルは2枚を重ねて切り出します。
【シアー材の接着】

パネルの上端にシアー材を接着します。

シアー材はエポキシ接着剤が硬化するまで仮釘かステープルで固定します。

但し、仮釘の頭やステープルを直接パネルに打ち込んでしまうと除去が大変なのと、かなりの傷を残してしまいます。

ボール紙等を挟んで打ち込みましょう、パネルに釘頭やステープルの傷が付かず、且つ除去が容易です。

エポキシ接着剤が硬化したら仮止めを除去し、いよいよハル(船体)の組立です。