街道ウォークの醍醐味は正に「達成感」と「充実感」にあります。 それは丸一日歩き通した当日にもあり、各街道の終着点にたどり着いた時はまたひとしおです。 それは自分自身の中に街道とかかわった歴史がすでに出来あがっているからではないでしょうか。
しかし「街道ウォーク」は往復でワンセットです、東海道であれば日本橋を出立し、京の三条大橋に無事到着したら、いつかは京の三条大橋から江戸日本橋に向かいましょう。 風景は180度変わります、そしてその時あなた自身は優秀な「片道の経験者」なのです、迷道してしまい不通過してしまった街道をトレースし直すこともできます。 また「片道の経験者」であるあなたは体力的にもかなり向上しているはずです、一日20kmの行程であったものが30km、40kmとこなせるようになっているはずです。 そして往路では割愛してしまった旧所名跡等をフォローしたりとメリットははかりしれません。
ある年、単独で東海道府中宿から舞坂宿まで二泊三日で歩きました、この時はアスファルトから陽炎が立つほどの真夏日ウォークでした。 オヤジさんが「東海道を歩いているんだろう、チョット寄ってゆきなョ」と満面の笑顔で誘ってくれました。 「イエ、チョット先を急いでますんで」これでは笹沢佐保の「木枯紋次郎」のセリフですネ、「いいから寄りなよ」の言葉に促されて寄ったところ、そこは街道筋に面してクリーニング店を営むAさん宅でした。 店内に入ると驚きです、ご本業のクリーニングの衣類を受け渡すカウンターの脇には東海道グッズが所狭しと飾られていました。 翌早朝出立時チェックカウンターにゆくと「道中安全を祈る」とのメッセージまで頂きました。 それから一年後、仲間と再度当宿を訪れた際、街道筋に面した「たたみや旅館」に宿をとり、厚かましくもAさん宅に伺うと笑顔で迎えていただき、仲間全員に記念の品々を頂きました。
そこで今回仲間と語らい「討ち入り」の覚悟で再挑戦、リベンジです、肩で風を切って店内に突入、目で殺気を飛ばすと、笑顔で「いらっしゃい、その節はどうも」、これはいけません腰砕けです。 腹ごしらえも済ませ、例により酒屋で焼酎の一升瓶を購入して「たたみや旅館」に戻る、女将さんの計らいで四人で16畳部屋です、粋なもんですね。
全員風呂に入り、さあ宴会と車座になると、突然A氏の登場です。 そして肴はA氏の街道話し、あっという間にブランデー一本あけてしまいました、このメロン&ブランデーのタッグは最強でかなり効きます。 Aさんがお帰りになっても妙に気合が入り、焼酎もあけてしまい、翌日は「二日酔いウォーク」です。 後日東海道に関するテレビを観ていますと、Aさんがテレビ出演しているでは有りませんか、この人は有名人なんだ。
私自身は東海道を一往複半しています、おかげさまでマップ無しで歩けるようになりました。 是非、ご一党様方も時間を掛け各街道をワンセットづつ踏破してみたらいかがでしょうか。 東海道、中山道、甲州道中、日光道中、奥州道中の五街道を各往復したら大層な距離になります。 もし豪傑や猛者の方々が五街道全部往復踏破したらその次はどこに行く、とのご心配がありましたらご安心下さい、脇街道マップを用意してあります、「脇街道ウォーク」にご利用下さい。 当然これらの脇街道は五街道に関連する脇往還です。
どうですかフィールドには不自由しませんネ、ビューッと行きましょう。
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